Facility

プール水設備

Pool Water 

プールの水質を、快適で清潔な環境を維持するために

プールの水質を快適で清潔な状態に保つためには、適切なろ過システムの選定と定期的なメンテナンスが必要であり、適正に設定することで、微生物や不純物を効果的に除去することが可能となります。
さらに、プール水の循環を適切に調整し、均一な水の流れを確保することで、ろ過システムの効率を最大限に引き出すことができます。
また、定期的に水質テストを実施し、pH値や塩素濃度を監視して、必要に応じた調整を行いながら、水の安全性と清潔さを保つことが求められます。
プールの設計段階では、具体的な要件や地域の法規制を考慮しながら計画を進めることが重要です。

システム設計方法

01

プールの用途や目的、利用者数や運営時間等の諸元を整理する。

02

プール水質を快適で清潔な環境を維持することができる、ろ過システムを決定する。

03

諸元を基に法規制等に適合するターン数を決定し、ろ過システムの容量やろ過速度を決定する。

04

運営条件から給排水や熱源等のユーティリティを算出する。

関係法令:厚生労働省「遊泳用プールの衛生基準」、文部科学省「学校環境衛生基準」

求められる水質プール水の基準

利用用途項目 学校プール※1 一般プール※2 高度処理されたプール※3 測定の頻度(DIN規格は除く)
pH値 5.8以上 8.6以下 5.8以上 8.6以下 6.5以上 7.2以下※4 毎月1回以上
酸化還元電位値
(ORP)
750mV以上(6.5≦pH≦7.3)
770mV以上(7.3≦pH≦7.6)
濁度 2度以下 2度以下 0.5FNU以下 毎月1回以上
過マンガン酸カリウム消費量 12mg /L 以下 12mg /L 以下 補給水の数値+3mg /L 以下 毎月1回以上
遊離残留塩素 0.4mg /L 以上
1.0mg /L 以下
0.4mg /L 以上
1.0mg /L 以下
0.3mg /L 以上
0.6mg /L 以下
午前中1回以上
午後2回以上(うち1回はピーク時)
結合塩素 0.2mg /L 以下
大腸菌 検出されないこと 検出されないこと 検出されないこと 毎月1回以上
一般細菌 200CFU /mL 以下 200CFU /mL 以下 100CFU /mL 以下 毎月1回以上
総トリハロメタン 0.2mg /L 以下 0.2mg /L 以下 0.02mg /L 以下※5 1年に1回以上
(水温が高い時、遊泳者が多い時)
レジオネラ属菌 検出されないこと※6 検出されないこと 1年に1回以上
(設備などに応じて)
透明度 プールの底が
完全に見えること
  • ※1 文部科学省基準:学校環境衛生基準に定められる「第2章学校環境衛生基準 第4水泳プールに係る学校環境衛生基準」の水質基準を示す
  • ※2 厚生労働省基準:遊泳者プールの衛生基準について に定められる水質基準を示す
  • ※3 DIN(ドイツ工業規格)基準19643(一部抜粋)を示す
  • ※4 アルミニウムまたはアルミニウム鉄化合物系凝集剤を使用する場合
  • ※5 屋外プールは除く
  • ※6 維持管理基準で定められている

処理法の比較

ろ過方式 砂ろ過 珪藻土ろ過 逆洗式カートリッジろ過
ろ過機能及び特徴 ろ層のふるい分けとろ材への付着により濁質を除去する。
多孔質ろ過材により、 微細物質の吸着に優れる。
珪藻土の粉で薄い膜を形成し、膜表面でろ過する。
目詰まりすると洗浄し、新しい珪藻土で膜を作り直す。
金属製や樹脂製の母材を円筒状にした
フィルターをタンク内に配列してろ過する方式。洗浄可能なフィルタを用いており、洗浄排水量は少ない。
ろ過精度 1~5μm※1 1~5μm 3~10μm※2
ろ過能力 ろ過材表面積が大きく、 表層だけでなく内部ろ過により、 ろ過材単位体積あたりの濁質抑留量が多い。 珪藻土の付着が完全なら、ろ過精度に優れるが、ろ過は表面だけで濁質抑留量が極めて少ない。 ろ材細孔を種類によって調整できる。珪藻土よりはろ過層に厚みがあるが、濁質抑留量は少ない。
洗浄頻度 ×
洗浄排水量
ろ過剤耐用期間 ×
設置面積
イニシャルコスト
ランニングコスト
メリット
  • ・日常の洗浄操作でろ過材を長期使用するため、環境に優しい。
  • ・内部ろ過によりろ過損失水頭が生じ難く、長期の定量ろ過が可能。
  • ・操作が単純で自動運転が容易、 維持管理の省力化につながる。
  • ・凝集剤が不要で、 高い清澄度のろ過水質を得られる。
  • ・設備スペースが比較的小さく、軽量である。
  • ・1回あたりの洗浄水量が少なく、 大きな排水槽等が不要。
  • ・凝集剤が不要で、 高い清澄度のろ過水質を得られる。
  • ・設備スペースが比較的小さく、軽量である。
  • ・1回あたりの洗浄水量が少なく、 大きな排水槽等が不要。
デメリット
  • ・設備スペースが大きく、重い。
  • ・1回の洗浄水量が多く、 水量調整目的に排水槽を設ける場合がある。
  • ・ろ過材は消耗し、 いずれ交換が必要となる。
  • ・日常的に珪藻土の補充が必要。 また補充の際粉末状の珪藻土が飛散し、 周囲に付着するため要注意。
  • ・洗浄は珪藻土を含む高濃度SSが排出され、環境負荷が高い。
  • ・操作が複雑で、維持管理の失敗許容度が少なく、水質に即影響する。
  • ・濁質抑留量が少なく、 ろ過継続時間洗浄頻度が多い。
  • ・ろ過精度が他方式に較べ低い。
  • ・ろ過材閉塞が発生すると、 交換以外に回復が望めない。 緊急対応が困難。
  • ※1 凝集剤を併用の場合
  • ※2 フィルタ除去粒度による

殺菌剤+高度処理方法の比較

プール水の消毒は原則として塩素または塩素剤等の殺菌剤を注入する設備により行いますが、高度処理を併用することで殺菌効果が高まります。

殺菌方式 次亜塩素酸ナトリウム 高度処理
二酸化塩素 紫外線(UV) オゾン
原理 塩素化合物が呼吸器系酵素を阻害して殺菌する。 酸素による酸化分解と塩素化合物が、呼吸器系酵素を阻害して殺菌する。 核酸(DNA) に吸収され核酸分子構造を変化させ、細胞破壊を起こして殺菌する。 酸素が細胞膜を酸化分解して殺菌する。
メリット
  • ・実績が多く、最も普及している
  • ・安価
  • ・残留効果があり、 飲料水やプール水には添加が必須
  • ・次亜塩素酸ナトリウムに比べて殺菌力、 酸化力が強い
  • ・生物膜の剥離、 除去が可能
  • ・トリハロメタンや結合塩素の発生が少ない
  • ・省スペースで設置可能
  • ・有害な副生成物や臭気、 ガスが発生しない
  • ・日常管理が容易
  • ・酸化力に即効性がある
  • ・殺菌効果が強く、溶存有機物を分解し、過マンガン酸カリウム消費を低減させる効果がある
  • ・トリハロメタンや結合塩素の発生が抑える
デメリット
  • ・トリハロメタンなどの発がん性物質を生成する
  • ・塩素ガスにより機器 (特に機械室) に腐食が発生する場合がある
  • ・定期的な薬剤補充が必要
  • ・次亜塩素酸ナトリウムに比べて高価な薬剤を投入するためランニングコストが増える
  • ・プール水中の亜塩素酸濃度を定期的に計測する必要がある
  • ・残留性がない
  • ・紫外線が水に吸収され、減衰することがある
  • ・UVランプの定期的な交換が必要な為ランニングコストが増える
  • ・有害な副生成物が発生するため活性炭による吸着が必要
  • ・故障時にオゾンガスが暴露する危険性がある
  • ・高電圧、高電流機器のため、 取り扱いに注意が必要

設計上の留意点

用途に合わせたろ過能力(ターン数)の選定を行い、循環方式、水流分布を検討する必要がある。
衛生的で快適な水質を維持するため、高度処理設備を導入する必要がある。 
ろ過ポンプをインバータ制御するなど、省エネに寄与するシステム設計が求められる。

TOHZAIが選ばれ続ける理由

豊富な製品ラインアップとワンストップソリューションによる迅速な対応力で、

多くのお客様に選ばれ続けています。
お客様の現場を深く理解し、水質や現場状況に適した薬剤選定やラボ試験、

カスタマイズにも対応し、ニーズや課題に真摯に向き合います。

  • 01

    50mプールや
    ホテルなどの

    全国で350件以上の
    豊富な実績

  • 02

    衝撃にも強い
    抜群の

    耐久性

  • 03

    ろ過装置は安心の

    日本水泳連盟
    推薦製品

  • 04

    インバータ制御による

    省エネ

関連製品

お客様の現場状況に合わせた水処理薬剤や管理装置などのツールを取り揃えております。
プール水の水処理はTOHZAIにお任せください。

優れた耐久性を持ち合わせた処理装置

自動循環ろ過装置
サワフィルターAPF

用途・処理量に対し、適切な機種から選定することが可能です。
ろ過塔の内面処理(FRPライニング等)をはじめ耐食性を有する仕様を採用し耐久性に優れています。

適正な水質管理をサポート

自動水質監視装置
PWSモニター

プール水の残留塩素濃度、pH値、ORP値(酸化還元電位)を連続測定し、水質に応じて各種薬注ポンプを比例制御することで、高精度の水質処理を行う事が可能です。

塩素臭やトリハロメタンの低減が可能

プール用薬剤
ハイドロキサン

次亜塩素酸ナトリウムと併用し、水中内で二酸化塩素が生成される事で、有機物質を分解し、塩素臭やトリハロメタン等が少ない、安全なプール水を提供できます。

高い透視度を維持し、省エネにも寄与

プール用薬剤
ハイドロサン

清澄剤と併用することで、凝集ろ過の最適化を行い、高い透視度を実現することが可能です。
洗浄頻度の低減により、ランニングコストの削減を実現します。

導入事例

当社では数多くの導入事例がございます。詳しくはお問い合わせください。

公認競泳プール

地域
関東
用途
競技用
保有水量
3500㎥
ターン数
5ターン/日
ろ過能力
250㎥/h×3基

フィットネスクラブ

地域
大阪府
用途
スイミングスクール
保有水量
290㎥
ターン数
8ターン/日
ろ過能力
96㎥/h

ホテル

地域
沖縄県
用途
レジャー
保有水量
197㎥
ターン数
6ターン/日
ろ過能力
55㎥/h

これまでに培ってきた水処理、メンテナンスなどに関する技術・ノウハウ・解析力で、

各種設備の最適化をサポートするアフターサービスの体制を整えています。

これまでに培ってきた水処理、

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各種設備の最適化をサポートする

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自社営業員による維持管理

経験豊富な営業員が現場を訪問し、水質状況の確認や現場機器のメンテナンスを行い、設備の維持管理をサポートします。
さらに、工業用内視鏡などの各種検証ツールやIoT技術を活用し、状況を把握します。

各種分析

グループ内には分析・試験機関が設置されており、各種水質分析、菌類検査、試料の定性分析などを実施することが可能です。
また、様々なラボ試験を行い、課題解決や最適な水処理のサポートを行います。

自社工場

機器・薬剤製造を自社工場で行い、独自の品質チェックで、高品質な製品を提供します。
さらに、試験・分析センターも同拠点に集約し、一貫した連携システムでお客様のご要望に迅速にお応えします。