温泉の種類

温泉の種類

温泉の知識を得ると、入浴が楽しくなります
最近では、旅行や療養だけでなく街中でも気軽に温泉を楽しめるようになりました。 温泉には多くの種類があり、分類するための視点も様々です。 温泉の分類は、温度や泉質などお湯の持つ特性により分けられます。
温泉とは・・・?
温泉
温泉とは
種類をご紹介する前に、そもそも温泉とは何でしょうか。 温泉には定義があり、下記の条件の一つでも満たせば温泉と呼べます。 温泉はその定義を満たすものであれば、水蒸気やガスも含まれます。
【温泉であるための条件】
・(お湯、水蒸気、ガスが)泉源から採取される時、25℃以上ある
・法律で規定する19項目の物質(リチウムイオン、ラドンなど)の内一つでも、規定濃度以上含まれている
療養泉
療養泉とは
療養泉とは、温泉の内、一定の成分を含む療養に適した温泉のことで、水蒸気やガスは含みません。 一般的に私たちが“温泉”に持つイメージはこちらでないでしょうか。 下記の条件の一つでも満たせば療養泉と呼べます。 含む成分の違いにより、泉質別の特徴(禁忌症や適応症)があります。
【療養泉であるための条件】
・お湯が泉源から採取される時、25℃以上ある
・法律で規定する7項目の物質(総鉄イオン、ラドンなど)の内一つでも、規定濃度以上含まれている
泉質による分類
温泉を分類する視点は様々ですが、ここでは、人の健康や病気と関わりのある、泉質による分類をご紹介します。 泉質ごとに違う”適応症”を持ちます。
適応症
適応症とは
適応症とは、療養泉への入浴により苦痛の軽減が期待できる症状や、期待できる効用のことです。 以下の図では、どの泉質の療養泉にも共通する適応症です。
■療養泉の一般的適応症(浴用)
療養泉の一般的適応症(浴用)
療養泉の種類(泉質による分類)
療養泉はその泉質により、以下の10種類に分けられます。 療養泉の一般的適応症に加えて、泉質独自の適応症を持ちます。
単純泉
定義:ガス性を除く溶存成分が1,000mg/kg未満。泉温が25度。
適応症:自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
塩化物泉
定義:ガス性を除く溶存成分が1,000mg/kg以上。陰イオンの主成分が塩化物イオン。
適応症:きりきず、末梢循環障害、冷え症、うつ状態、皮膚乾燥症
炭酸水素塩泉
定義:ガス性を除く溶存成分が1,000mg/kg以上。陰イオンの主成分が炭酸水素イオン。
適応症:きりきず、末梢循環障害、冷え症、皮膚乾燥症
硫酸塩泉
定義:ガス性を除く溶存成分が1,000mg/kg以上。陰イオンの主成分が塩化物イオン。
適応症:きりきず、末梢循環障害、冷え症、うつ状態、皮膚乾燥症
二酸化炭素泉
定義:療養泉1kg中、遊離二酸化炭素の含有量が1000mg以上。
適応症:きりきず、末梢循環障害、冷え症、自律神経不安定症
含鉄泉
定義:療養泉1kg中、総鉄イオンの含有量が20mg以上。
適応症:一般的適応症(浴用)と同様
酸性泉
定義:療養泉1kg中、水素イオンの含有量が1mg以上。
適応症:アトピ-性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、耐糖能異常(糖尿病)
含よう素泉
定義:療養泉1kg中、よう化物イオンの含有量が10mg以上。
適応症:一般的適応症(浴用)と同様
硫黄泉
定義:療養泉1kg中、総硫黄の含有量が2mg以上。
適応症:アトピ-性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症
放射能泉
定義:療養泉1kg中、ラドンの含有量が8.25マッヘ単位以上。
適応症:痛風、関節リウマチ、強直性脊椎炎
禁忌症
下記の症状の方は、温泉に入ってはいけません。 入浴することで有害事象を生ずる可能性がある病気・病態のことを、禁忌症といいます。
禁忌症
■温泉の一般的禁忌症(浴用)
病気の活動期(特に熱のある時)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、 少し動くと息苦しくなるような重い心臓病又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、 消化管出血、目に見える出欠がある時、慢性の病気の急性憎悪期
■酸性泉、硫黄泉の禁忌症
皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症