テクニカルインフォメーション
TECHNICAL INFORMATION
亜臨界水技術を用いた複合プラスチックリサイクル技術の開発
弊社では「水を処理する」だけでなく、「水で処理する」技術として亜臨界水処理技術の開発を行っています。 これは“単純な水”に高圧をかける事で、100℃を超えても沸騰しなくなり、さらに、この状態では“水”の溶媒としての性質が大きく変わる事を利用した技術です。 具体的には、油が溶解するようになるため、これを利用して天然植物から有用成分を抽出したり、強力な分解力を持つ事を利用して廃棄物を分解処理するなど、さまざまな分野での利用が検討されています。

今回、本技術について共同で開発を行っている東北大学や産業技術総合研究所、他民間5社(宇部興産株式会社・恵和興業株式会社・東ソー株式会社・凸版印刷株式会社・三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社)による産学官の連携を実現し亜臨界水技術を用いたプラスチックのリサイクル技術開発をテーマに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に応募し採択されました。

プラスチックは単一の種類であれば多様なリサイクル手法が存在しますが、実際は複数のプラスチックが組み合わせて使用されており、さらに使用済みのものであれば、汚れなども問題になるため、一部を除いてあまりリサイクルはされていません。 本技術はこの複合プラスチックを対象として、亜臨界水によるプラスチック自体を原料まで分解する技術(ケミカルリサイクル)と、熱による溶融・再成型(マテリアルリサイクル)を組み合わせた複合プラスチックのリサイクル技術を提案しています。

現在、小売店におけるレジ袋の有料化など、社会的にプラスチック製品の在り方を見直す動きが始まっています。 本研究開発が日本のみならず世界的なプラスチック製品のリサイクル技術として広まっていくよう、研究開発を継続していく所存です。


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