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冷凍機における簡単エコ対策
地球温暖化対策が叫ばれている昨今、お客様におかれましては様々なところでエネルギー使用量やCO2排出量の削減に取り組んでおられることと思います。
ビルの省エネ対策を考えても様々な項目がありますが、その中でも冷凍機などの熱源機器はエネルギー消費量が全体の約1/4を占めていると言われており、全体の省エネを考える上でも、冷凍機の効率低下防止は重要です。
冷凍機の効率は熱交換機内にスケールやスライム等の汚れが付着することによって低下します。しかし、熱交換器内部に付着した汚れの有無を把握するのは、水質分析のみでは難しいと言えます。
そこで今回、ターボ冷凍機において熱交換器内の汚れ状態を簡易的に確認する手段として、「LTD測定」をご紹介致します。LTDとは「Leaving Temperature Difference」の略で、冷凍機の汚れの指標として、次の式を用いて求められます。

LTD =(冷媒凝縮温度)-(冷却水出口温度)

ターボ冷凍機の熱交換器にスケールやスライムが付着すると凝縮温度が高くなり、LTDを上昇させる原因となります。
LTDが上昇(熱交換器の汚れが増大)すると、冷凍機の効率低下が起こり、表1の通りエネルギーコストとCO2排出量の大幅な増加に繋がります。

表1.LTD上昇における電力コストCO2排出量の増加
LTD(℃)変化3℃上昇
増加電力コスト(¥/年)2,400,000
増加CO2排出量(t/年)100.4
冷凍能力:500USRT
運転時間:18h/日×365日/年
負荷率:60%
電力費:13円/kWh
弊社計算値
ここに記載の数値は一定条件の下に試算したもので、実際の数値とは異なる場合があります。

つまり、確実にスケール分散やスライムコントロールを行うことにより、ターボ冷凍機の熱交換効率を良好に保持し、燃料・電気などの無駄なエネルギー消費を省き、CO2排出量の増加防止へと繋がります。
LTDは温度センサーを貼り付けるだけで、容易に測定できます。冷凍機内部を開放点検することなく、熱交換器内の汚れ具合を確認でき、水質分析結果を待たずにその場での対応が可能となります。
弊社ではLTDの測定等から、現状の効率を診断し、冷却水処理改善やスライム洗浄等、お客様に最適な水処理をご提案し、エネルギーコスト削減やCO2排出削減のお手伝いをしております。
詳しくは担当営業までお問合わせ下さい。
バイオブレーク使用後のLTD変化