Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEにてスプリント(短期開発)を実施

当社は、Microsoft社のイノベーション創出拠点「Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBE」のスプリント開発支援を受け、水質分析データをAIでスコアリングするシステムの開発に取り組みました。
これにより、水質管理結果をお客様に分かりやすく「見える化」し、現場ごとの水質管理状況や経時的な変化をより的確に把握できるようにします。
当社はこれまで、お客様の現場で採取した検体を自社分析センターで分析し、各分析項目の基準値や設備の稼働状況などに基づいた所見を報告することで、最適なコンサルティングを提供してきました。
しかし、従来の所見報告は入力担当者の視点や表現方法によって内容の受け止め方に差が生じる場合や、経時的な変化を把握しにくいといった課題がありました。
今回のスプリントには、経営戦略部DX推進課 柴野をはじめ2名が参加し、開発を行いました。
Microsoft社の機械学習プラットフォーム「Azure Machine Learning Studio」を活用し、データの前処理方法や最適な解析手法などに関する具体的なアドバイスを受けながら、以下の蓄積データを学習させることで独自のAIモデルを構築しました。
(本スプリントは空調用水を対象に実施)
・水質分析データ
・固有情報(供給種別、採取エリアなど)
・水質分析結果に対する所見データ
・IoTデバイスによるリアルタイム監視データ
このAIモデルを活用することで、水質分析結果を入力するだけで自動的にスコアリングが行われ、スコアを確認するだけで水質状況を直感的に把握できるようになりました。
また、分析結果毎にスコアが算出されるため、経時的な変化を数値として比較しやすくなり、水質管理の安定性を確認する上でも有効に機能します。
今後は、さらなるデータの蓄積を通じてAIモデルの精度向上を図るとともに、適用範囲を拡大し、水質分析システムへの本格的なスコアリング機能の導入を進めてまいります。
お客様に水質管理状況を分かりやすく「見える化」することで、より安定した高品質なサービスの実現を目指してまいります。

Azure Machine Learning Studioでディスカッションする様子
■ Microsoft AI Co-Innovation Labエンジニアからのコメント

【Lab Engineer 今井氏より】
非常に楽しいスプリント ありがとうございました。本スプリントでは水質分析結果のデータを用いて水質分析結果数値の良し悪しを決定する評価値を相対指標で新規に構築しました。
皆様のパッションが非常に強くかつ、作業の進捗が非常に早かったのもあり価値のある数値を構成することが出来ました。手法としては今回の数値変換の肝となった次元圧縮には(AE、PCA等)を利用し、他にもMicrosoftならではのサービス及び手法を駆使しました。
兎にも角にも、持ち帰って頂いて東西化学産業株式会社様 に育てて頂ける指標が作れたことに一番大きな喜びを感じております。また機会がありましたら一緒に次のスプリントも実施させてください!
【Lab Engineer 束田氏より】
このたびは非常に有意義なスプリントをご一緒させていただき、誠にありがとうございました。私はサブエンジニアとして、技術調査や検証の面でサポートを担当させていただきました。
東西化学産業株式会社様が「より安定した高品質なサービスを実現する」という強い思いを持って取り組まれている姿に、大きな刺激を受けました。活発なディスカッションや日々の積み重ねに裏打ちされたスピード感ある開発のおかげで、短い期間ながら価値のある成果を創出できたと感じております。
今後の開発においても、また機会がございましたら、AI Co-Innovation Labが伴走者としてご一緒できれば大変嬉しく思います。
※ Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。











